中小企業割増賃金率の適用猶予廃止~2019年4月から中小企業の負担増へ~-労務トピックス(アングル2016年4月号)
- 2016年3月25日公開
労働基準法の改正案がいくつかありますが、今回はその中でも、中小企業に影響が大きいとみられる割増賃金率の適用猶予廃止について、解説いたします。
現在、大企業では、月60時間を超える残業をすると50%増し(1.5倍)の賃金を払う義務があります。
一方、中小企業(表1)は、月60時間を超える残業をしても、25%増し(1.25倍)に割増賃金率が据え置かれています。
つまり、大企業と同じ割増賃金率の適用が現在猶予されている状態です。
表1:中小企業該当の有無
業種 | 資本金の額または出資の総額 | または | 常時使用する労働者数(企業全体) |
---|---|---|---|
小売業 | (1)5,000万円以下 | (2)50人以下 | |
サービス業 | (1)5,000万円以下 | (2)100人以下 | |
卸売業 | (1)1億円以下 | (2)100人以下 | |
製造業その他 | (1)3億円以下 | (2)300人以下 |
しかし、2019年4月からは、中小企業も大企業と同じ水準になる見通しです(図2)。月60時間以上の残業をしている労働者の多い中小企業は、注意が必要となります。
政府の狙いとしては、適正な時間管理による長時間労働の削減、さらに労働環境の改善等を事業主に促す意向があるようです。
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