介護・育児休業法改正 ~継続して働き続けるために~-労務トピックス(アングル2016年12月号)

平成29年1月1日から施行される育児関連の改正についてご紹介します。改正点がたくさんあるため、自社の育児介護休業規定を見直し、法律に沿った内容に改訂しておきましょう。


看護休暇が半日単位で取得可能に!

病気やけがをした子の看病等のために取得できる休暇として「子の看護休暇」があります。看護休暇は1年度につき5日(子2人以上は10日)の付与が義務付けられています

これらの休暇は1日単位で与えればよいとされていましたが改正により、半日単位の取得も認めるよう義務付けられました。

1日単位の利用しか認めていなかった企業は規定の改定が必要です。

育児休業等※の対象となる子の範囲拡大

現行では、法律上の親子関係である実子や養子が対象でしたが、法律上の親子関係に準じるといえる子(特別養子縁組の監護期間中の子など)も対象に加わります。

※育児休業等とは、子の看護休暇、所定外労働の制限(残業の免除)、時間外労働の制限、深夜残業の制限、所定労働時間の短縮措置も含みます。

有期契約労働者の育児休業の取得要件緩和

これまでにおいても一定要件を満たさない有期契約労働者について育児休業の対象外とすることが法律上認められていましたが、今回の改正により緩和されます。

◆有期契約労働者の育児休業の取得要件緩和

  1. 同じ事業主に継続雇用された期間が1年以上→そのまま
  2. 子が1歳以降も雇用継続の見込みがあること→廃止
  3. 子が2歳までの間に更新されないことが明らかではないこと→1歳6か月までに

改正後は2.の条件が廃止され、これにより改正後は更新の上限が決まっているなどの理由により子が「1歳6か月」に達するまでに契約が終了することが明らかな人以外は、勤続1年以上の有期契約労働者でも育児休業を取得することができるようになります。

マタハラ・パタハラなどの防止措置の新設

改正法では事業主にマタハラ防止措置を講じることを義務付けています。「マタハラは許されない」旨を就業規則等に規定することや、マタハラに関する相談窓口の設置、マタハラが起きた場合は懲戒事由の対象とするよう定めておくことも、マタハラ防止措置の1つとして指針に例示されています。


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